レイデイ・ハワイデイ

Aloha,

私が企画・運営するイベントが、いくつかあります。
中でも、「レイデイ・ハワイデイ」というチャリティイベントは、5月12日に11回目を無事に終えました。
このイベントは。オアフ島西側ワイアナエ地区のホームレスの子供たちへの教育資金集めのチャリティイベントです。

「え?ハワイにホームレス?」

と驚かれる方も多いと思います。
最近ではネットニュースでハワイのホームレス問題を知ることもできますが、私が活動を始めた十数年前は、全く情報が乏しく、ハワイはパラダイスという強い印象で輝き続けていました。今もなお、その輝きは日本人観光客を魅了しています。
2007年のある日、深夜番組でハワイ特集をしていました。いつものように観光番組だと思っていましたが、
それは、オアフ島ワイアナエ地区のホームレスの子供たちの現状でした。
ホームレスはホノルル市にも多く、ワイキキビーチ周辺でも見かけますが、ワイアナエ地区のホームレス事情は少し違います。家族でホームレス生活をしています。私は2005年にワイアナエ地区を偶然訪れたことがありました。
ビーチには、沢山のテントが並ぶ光景を、大きなバーベキュー大会なのかな?
と無知であった私は車で通りすぎて行きました。
そのビーチハウスが、ホームレスの集落でした。そこには、家がなく、そこから学校へ通う子供たちが多くいます。
番組は、一人の小学校教師を取材していました。彼女が言うには、学校の給食がその日の唯一の食事だという子も多い。ビーチハウスで生活しているので衛生面が悪く、シラミの子供が多数おり、その女性教師が、一人一人の頭のシラミを丁寧に手で取り省いていました。
学校の対策としては、良い子クーポンみたいなのを作り、歌がうまかった、挨拶が出来た、成績が上がった、などとしてクーポンを配布。そのクーポンは、学校の購買部で好きなものに変えられる制度です。
購買部には、多種多様な品物が揃えられています。購買部で人気ナンバー1は、缶詰です。そして紙おむつ。それぞれ、家族のための品物に変えていきます。勉強に必要な筆記具などは、全く変えられてない状況。女子生徒にリポーターが質問します。
「あなたのお母さんは今何しているの?」
「道にいる」
道で物乞いをしているということでした。この番組は、私のハワイ観をそっくり変えてしまいましたが、以前よりずっとハワイのことを愛するようになり、知りたい、という気持ちが強くなりました。
一か月後、ハワイ島スタディツアーに参加していると不思議なことが起きました。
バスの中で、あの女性教師と乗り合わせたのです!
その時の興奮は、今でもその時の感覚のまま思い出せます。
突然ですが!てな感じで話しかけ、熱い思いを伝えました。どんどん、涙が溢れてきて、悲しいんだか、なんだか。
彼女の方は、ずっと冷静でいて、常に微笑んでいました。

「YUN、彼女たちのことを助けたいなら強くなりなさい。強く居続けるのです。涙は流してはいけません。笑って子供たちのことを見守って。」

最後に連絡先を聞き、絶対に何かしますから、待っててください。
と初対面のジャパニーズが泣きべそで、別れました。
その日から、私は泣かない事になりました。ええ、泣きませんよ。約束したんですから。
人生の偶然は必然なんだと思っています。
ワイアナエ地区とは、私が初めてハワイで訪れた場所、私に様々な経験をくれたハワイの先生の家があり、この女性教師は、先生とフラシスター(フラに関する兄弟弟子)であったりと、何もかもが私のところへ、流れ着いてきました。
その運命の出会いの帰国の飛行機で、チャリティイベントのアイデアが浮かび、今年11回目を迎えることが出来ました。
その間、自分でも調べてみると、ワイアナエ地区の公立学校は週二回しか授業がない、とか。
オバマが大統領時にハワイでOPEC開催しました、その時に、あのビーチハウスはブルトーザーで綺麗に整備されていまではビーチには誰もいません。
その後、山側に移りました。
私のサポートは続き、微々たる支援ですが3名が大学入学という、大きな成果を挙げました。しかし、現状は全く変わらない…。
何度も、挫けてしまいそうになりました。一体、意味があるのか…。
そんな自問自答が毎年芽生えますが、最後は強くなった自分が「あろーはー!また来年会いましょう」とステージの上で挨拶しているのでした。

私は、踊りの振りを教えるだけの指導者ではなく、生徒のフラ(人生)を導いていく。そのために、ハワイのすべての事に興味を持ち続けたい。
不思議と、ハワイのことなら何でも興味がわき、好奇心が常に全開で、ずっと息絶えるまで学び続けたいと思っています。
先日、ハワイで知り合ったロコに、
「あなたは何故、ハワイに惹かれるのか?」
と聞かれ、答えると
「ああ、あなたは昔ここに住んでたね。絶対にハワイアンだったよ。たまにいるよ、そーゆー人」
ハワイに私が片思いでないということだろうか。


バスで出逢ったのは運命か。